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【読書】ただマイヨ・ジョーヌのためでなく

ただマイヨ・ジョーヌのためでなく


素晴らしい本を読みました。世界で最も過酷な自転車レース、ツール・ド・フランスで、前人未到の7連覇を達成したアメリカの英雄、ランス・アームストロングの自伝本です。電車の中で3回くらい泣きそうになりました。ただの変な人ですね(自分が

ツール・ド・フランスは、3週間をかけて自転車に乗り、フランスの山岳地帯と市街地を3,500km走り抜ける競技です。もっと詳しく知りたい人はこちらの記事を参照して下さい。100年以上の歴史を誇るスポーツで、200名近い選手が世界中から集まり、ヨーロッパではサッカーの次に人気があります。その選手の中でも、個人総合成績暫定1位の選手が、黄色いジャージを着て「マイヨ・ジョーヌ」と呼ばれます。ランス・アームストロングは誰よりも速く走って黄色いジャージに袖を通し、ゴールとなるパリのシャンゼリゼ通りを駆け抜けました。

それまでアメリカでは自転車レースは人気がありませんでしたが、ランスの登場で一気に人気に火が付きました。ランスはツール・ド・フランスで優勝し、世界でトップのスポーツマンになりましたが、それだけではありません。ランスは25歳で第三期の睾丸癌を患い、肺と脳にも転移している最悪の状態からカムバックしてきたのです。病を乗り越えて世界の頂点に上り詰めたヒーローに、アメリカ国民は熱狂しました。そこからランスはツールで勝ち続け、過去に誰も成し得なかった7連覇という偉業を達成するのです。

そんなランス自らが綴る物語のほとんどは、彼が癌であると発覚してからの闘病生活について書かれています。彼の文章には、脳手術を受ける事への恐怖が描かれています。肉体はおろか魂まで擦り減らすような化学療法の過酷さがひしひしと伝わってきます。しかしランスは、「癌は僕の人生に起こった最良のことだ」と公言してはばからないのです。

彼は生存確率20%を遥かに下回る病と戦い、肉体と魂を打ちのめされます。ランスはこの本の中で、自分の最も弱かった部分を曝け出しています。全てにおいてタフなトッププロの、醜く人間らしい描写が非常に生々しいです。自分の選手生命は終わったと絶望するランスを、周囲の人々が懸命に支え、肉体の回復と共に、ランスは少しずつ精神的な安定を取り戻していきます。そして再び自転車に跨り、ツールを制するためのトレーニングに取り組むのです。

この本は、原著のタイトル「It's Not About the Bike」が示すとおり、自転車についての本ではないのです。ランスがいかに癌と向き合い戦ってきたかの記録であり、支えてくれた周囲の人々への感謝のメッセージであり、癌と向き合う人への「癌コミュニティ」の参加の呼びかけなのです。

個人的には、脳の手術から生還した場面は感涙モノだと思います。手術直前に見舞いに来た人達に冗談を言い、気丈に振舞うランスですが、手術が終わり、そんな見せ掛けが必要無くなった時、自分の恐怖を正直に話すのです。「死ななかったよ」「まだ生きてる」と。いつも攻撃的だった彼からは想像もできない言葉です。手術はこれほどまでに人の弱さを抉り出し、心にダメージを与えるのかを見た瞬間でした。あまりの痛々しさに通学中に泣いたのは秘密。

それと最後の章で、ツールでの初勝利の様子が詳細に描かれています。ランスがタイム・トライアルで他の優勝候補の選手に対し、圧倒的に差をつけてゴールした際に、自分の出したタイムが信じられなくて、「そんなはずはない」とか言いながらサイクルコンピュータを何度も見返すのがかわいいなぁ、と思ったり。不覚にもちょっと萌えた。
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